
|
|
haramo cuprus+haramo S1 |
haramo cuprum + haramo S1 スキーマ建築計画 東京都昭島市 |
|
|
|
この夏に僕が手がけた2作目の新築が完成した。内容としては集合住宅だ。実は、1作目も同じ駅、そして同じ施主でのお仕事だった。場所は立川駅から青梅線で3駅行った中神という郊外である。4年前、はじめて僕が訪れたとき、駅前でありながら、半数くらいのお店のシャッターが閉まりっぱなしで本当に寂しい駅前だった。 しかし、それから4年経過し、中神も少しずつ街らしくなり、駅前も徐々に賑わいを取り戻している。もちろん、郊外とはいえ、二棟くらいでは実際には何も変えられない。しかし、変わっている街に関係を持っている感覚は二棟でも十分味わえる。きっと、都心では二棟作ったところで近隣に住んでいながらも気付かないことがある。その点、郊外では一棟建っただけでも、少し目新しいものであれば「なんだ?なんだ?」と皆が関心を寄せる。 |
|
また、面白いのが郊外においてデザイン性を重視し集合住宅を建てるケースというのが非常に稀で、住む人も現状に飽き足らない人が集まってくるため、自然とニッチなコミュニティが生まれる。この前も二棟目のオープンハウスのときに一棟目の屋上カフェでバーベキューをしたのだが、その中に新旧の住人が集まっていてすでに住人同士が町をまたいで交流する場面があった。こんなことが細々続くとホントに町が出来てくるんだろうなと思った。 |
|
また、町を作る上で大事なこととして、施主である地主の積極参加である。まず、今回建てた集合住宅は僕と施主と二人で事業計画を練り、計画にいたり、募集に関しても不動産屋には協力してもらうものの半数以上の契約を自らのサイトで取り付けた。また、メンテナンスも業者を極力使わず、時には自らローラーをもって塗装を行うときもあれば、日々の掃除まで自らの手で行う。もちろん、そこまで手をかけるのには、賃料がさほどとれない郊外であるという理由があがるが、その結果、誰よりも建物や住人に関して熟知することになり、街づくりの核になってくる。そもそも40〜50年他人にまかせっきりで収益だけ自動的に入ってくると考えること自体問題であり、今後、このように自分の土地に感心を持ち、積極的に街づくりに参加する地主さんが多くなることを期待したい。 |
|
さて、少しはなしを変え、街はどこから町なのか?ということを考えてみたい。少し考えてみたが、二人以上であれば家族と呼ぶように街も複数、つまり2棟以上あれば街である。しかし、どんな街かというキャラクターを形成するには3棟以上を必要とするように思う。また、我々建築家側としても2棟以降にホントに街が見え、ターゲットが見えてくることも事実だ。つまり、二棟同じ街で手がけた後、そこで見えてきたことを三棟目でまとめることになる。双方の理由で、一つのコミュニティが社会性を持つためには3棟は最低限必要となる。また、町を作るとき、それぞれの建物が似通っていてはならない。もちろん、隣り合った場所で異なる建物を作るのは諸条件が同じであるため難しいが、少し距離を置けば必ず個々の場所の特性が異なる。その異なった部分を大切に拾い上げ、違いをしっかり造りお互いがお互いに感心を持てるようにする必要がある。 |
|
また、街の形成と切っても切れない関係といえば、相続税である。相続税がなければこうも街が変化することはない。相続税対策の中でもミニ開発、狭小住宅が良く知られている産物であるが、賃貸マンションも相続税対策その一つである。いずれも右肩上がりの社会が前提で成り立っており、人口減が加速し、空き家が増えて新しい社会システムを形勢しなければならないと皆が自覚するまでにはしばらく時間はかかる。したがって、しばらく相続税対策と不動産の関係は変わらず、賃貸マンションもなくなることはないであろう。ただ、一ついえることとして今後過当競争は厳しくなる。したがって、企画の良し悪しが結果を左右する。また、ここ数十年町というスケールより、都市というスケールに関心が集まりすぎたせいか住環境が悪化している。そこで、今こそ、町スケールで個々の地主が土地に対して意識を払い、行政やデベ任せではなく町つくりの意識を持つべきである。そして、その意識が自らの資産価値を上げることにつながることを理解してもらいたい。しかし、地方の場合、相場の賃料が安いため、付加価値の競い合いが厳しい事実はある。ただ、そこの部分さえ解消できれば、都心に比べ郊外の方が町を変える可能性が高い。 |
|
そろそろ、僕がどんな集合住宅を作ったかを話すべきであろう。 |
|
次のページへ |
| ↑ページTopへ戻る |